2011年4月21日木曜日

2ドルの思い出

こんにちは。ニシオです。
「ぴ~ひゃら、ぴ~ひゃら、ぱっぱぱらぱ」
今日は月に2回の尺八のお稽古。

尺八は学生時代に始めていまだ続いている数少ない僕の趣味です。ヨガと一緒で3日坊主をそれこそ20年続けております。やりこむと上達するのですが、1,2年放っておくとすぐに音を出すのも難しくなる。特に高い音。

ニューヨークに在住していたころ、なんだか日本がすごく格好よくみえたんです。「故郷とは遠くにありて、想うもの」って言うじゃないですか。

森英恵なんかもそうですね。日の丸大好きな女性です。海外が長くなると、だんだん母国が格好良く思えてくるんです。外人の中にいると、嫌でも日本人である事を意識せざるを得ませんからね。

そういう日本好き?が高じて、すしシェフになりましたし、尺八も習い始めました。百田先生というアーティストだったんですが、今のユニヴァの百田ビルと同じ名前だ。確か、百田先生も福岡出身だったような..まあ、偶然でしょう。

ニューヨークの地下鉄で、音楽大学の学生がサクセフォンを奏でてるんです。ゴッドファーザー・愛のテーマとか。いわゆる見物人からおこずかいもらう目的と、練習も兼ねてるんでしょう。地下鉄構内ですから、いい感じで音が響くんですよ。

「格好いいな~」なんて思って、いつか僕もマネしたいけど、音楽なんてやったことないし。おっと、その頃からエアギターは得意でした。

日本の歴史関連の本も読んでたんですけど、虚無僧(乞食坊主)が全国行脚して、尺八を吹いて、お布施をもらっていたという話にいたく感動して、「これだ!」ってなったんです。
外人の真似して、ギター弾いても、頭なでられるだけみたいに思っていましたし。

事実、当時日本で流行っていたビーズって結構いい音楽の2人組がいましたけど、それを見たアメリカ人が、「これはコミックバンドか?」って笑って聞いて来ましたから。確かに、欧米人からみたら、そう見えるのはなんとなく分かります。僕は好きだけどね。

三島由起夫が本の中で、イギリスに行った時、日本の偉大なる作家と紹介されて、「日本でも我々の真似して文学なんてやってるのね」みたいな感じで鼻で笑われたので、おもむろに日本刀を取り出したら、イギリスの貴婦人の血の気が引いたのが分かり、やはり日本人は日本刀だ、みたいな事を書いてました。誰だっていきなり刀なんて持ち出されたら、血の気引くって。

言いたい事は分かるんですけどね、極端な人だったんでしょうね、この人。僕の尺八も似たようなものです。外国で生きて行く知恵みたいなものだったんでしょう、その当時の気持ちとしては。

それでニューヨークで唯一の尺八先生の百田先生にお願いして、尺八を勉強するようになりました。イーストビレッジの公民館で毎週練習してたんですけど、その不思議な音色にいろんな人が寄ってくるんです。先生もパフォーマーだから、吹いて見せると、拍手が起こって、でも下手な僕が吹くと、誰もいなくなる。それでも楽しかったです。

そんなこんなで、「一音成仏」という言葉が尺八の世界にある。なんとなく分かるでしょう。意味が。

この頃から東洋思考が強かったんだ、僕は。ずっと前、ヨガがニューヨークで流行していると知った時、「これだ!!」って思ったのは、偶然じゃなかったんだ、きっと。ヨガ行者と虚無僧って違うんだろうけど、系統は一緒だし。

いずれ皆さんの前で、お披露目する時があるかもしれません。お楽しみに。


ね、結構カッコいいでしょ? ちなみにその頃、先生の名前から、百田氷山と名乗ってました。

百田ビルでヨガをやっているのも、これも何かのご縁なのかもしれませんね。偶然だと思うけど。

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